中小企業の自動化を考える
特殊電装株式会社 津屋和夫(自動化推進協会理事)
中小企業が国内の大手企業と対等に勝負するには、多品種少量で、品質、コスト、デリバリーが重要な市場で、いかにローコスト・オートメーションを自作出来るかにかかっています。お客様の要求する、その日の生産量・生産機種に合った、不良のない最善の生産方式が常に実施出来る工場を、他社より速く、安く造ることであります。
ここでは、汎用機で生産出来る製品は除外して、モータやモータコントローラーなどの組立品について、弊社の実践活動の内容について少し触れます。
1.1個流しU字型生産ライン・二の字型生産ライン・L字型生産ラインの見直しと強化
2.ローコスト治具化でワンタッチ治具交換(タクト内交換)の見直しと強化
3.ローコストマシーン化の自社設計及び社内製作のスピードUPと見直し強化
4.ローコストオートメーションによる少人化と無人化、他社での1/2の製作強化
生産効率の良いスピード化と”フレキシビリティのあくなき追求”によって、治具を駆使した、ワンタッチ、タクト内段取り換えと1個流し多種少量生産システムを確立し、同業他社に負けない、”物造りを極める”ことを目標としています。
ここで、自動化推進を実施する上で最も重要なことは、Q・C・Dは素より、製品の生産継続年数と数量であります。開発・設計・生産日数を含む設備償却問題の見通しと、今後の製品寿命の確認が重要となります。ゆえに、数年間、大量生産出来る商品の自動化は、それほどむずかしくはありません。しかし、注意することは、やむをえず減産になった時の受け皿に、まず国内で実績のある中小企業に、生産設備と製品に必要な部品など一式を売却して、空いたスペースを有効利用して下さい。(技術の海外流出ストップ化)並びに、欧米で始まっている、製造業の国内回帰問題が、日本でも発生した時、その受け皿となる、技術力のある中小企業が国内で必要となるからであります。
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