創立40周年「支持された事と支持を得る事」

コンサルタントジャパン(株) 高久 龍雄(自動化推進協会理事)

自動化技術の学会活動は、現在の精密工学会内に自動組立専門委員会として半世紀前に発足したのがスタートである。会長には故谷口紀男先生が、事務局には博学な牧野洋先生がその職をはたされていた。メンバーは選ばれた業界のトップ企業が席を置き、自動組立の導入啓蒙と技術発展に研究発表を行っていた。その数は20社にも満たないものであった。

谷口先生は明治の気質が残る厳しさと、指導には愛情が滲み出る方で、参加者全員が尊敬し努力をしていた。私も英国自動化マニュアルの翻訳を一冊、受け持たされ仕事合間の片手間翻訳の努力をさせてもらった。出来上がりを谷口先生に提出したところ、早速の呼び出しを受けた。

お褒めの言葉を頂けるのかと、いそいそと出かけて行ったがとんでもないはめに。先生の前に座らせられマンツーマンで一字一句の修正を表紙から後書きまで徹底指導を受けた。翻訳の一冊がエスケープメンと編であったせいか、シゴキか一秒でも早くエスケープしたいと願っていたのを思い出す。

この専門委員会は、生産自動化専門委員会と名称変更がなされ、現在も活発な活動をされている。

その後、民間の研修企業で牧野先生をコーディネーターとした自動化技術の海外視察研修旅行が実施され、その参加したメンバーが主体となって創立させたのが当会の前身である自動組立懇話会である。まさに40年前のできごとである。

会長に就任された牧野洋先生は自動組立専門委員会は選ばれた業界のトップ企業が自社の自動化技術をより発展させるために、高度な技術革新を願う会であるが、自動組立懇話会は、これから自動化を始める企業や自社だけでは出来ない自動化技術者の育成を願っている企業を集めて運営していこうとポリシーを語られた。言わば自動化技術の裾野を企業にも人材にも広げて推進させる会にしたい。挑戦がはじまった。 創立40年を迎え、これからの自動化推進協会はどの様に発展させれば良いか、この機会に考えてみたい。まずは今日までの自動化推進協会がはたしてきた役割を振り返ると次の項目があげられる。
1)会報による情報の提供
2)基礎講座による人材育成
3)見学会での新技術の探索
4)TTAMの資格制度
などだが、これからもブラッシュアップして長く支持を得たい。

これから多くの支持を得るには以下の項目を提案したい。
1)最近になって始めた自動化コンサルタント業務
2)電子版による新技術検定ゲームと実践現場の悩み相談
3)海外団体やロボット工業会・包装機械工業会との大交流
4)農業や漁業等の食品関連の未開発自動化分野の開拓
これからも多くのテーマがあり先々、楽しみである。