「第1回 位置決め技術国際会議」報告

自動化推進協会 常任理事
ケーエスエス株式会社
大橋 康二

 「位置決め」をキーワードにした精密工学会 超精密位置決め専門委員会の事務局のお手伝いをして、ざっと30年間を経過してきた。生産自動化技術でも、「位置決め技術」は、キーワードの一つであると思ってきている。  私自身が事務局の一端を担当し、過日6月9日から11日、静岡県浜松市のアクトシティ浜松を会場として開催した「第1回 位置決め技術国際会議」について、今後、同様な国際会議を本自動化推進協会が開催するときに、幾分か参考にならないかと思い、報告する。

 小規模国際会議であるために経済的な余裕がなかったことに本当の理由があったが、比較的に少ない出費で済んだのは「手作りの国際会議」と名づけてもよかったと思っている。事務局としても通常の専門委員会業務の中でほとんどを処理し、外部に依頼することなく、会議開催当日にアルバイト数人の協力を得て対応できた。関係委員の何人かには、対外的な雑事、8日の前準備作業、投稿論文の受付、プログラム作成、会場関係の雑事、会期中のデジカメによる記録、英語版ホームページ作成と追加修正、横断幕作成、目次を含めA4 650ページ以上のProceedingsの編集、同じ内容を貼付したCD−R作成など、大変なご尽力をいただいた。

 参加申込、Proceedingsへの原稿などを含めたやりとりは、全面的に電子メールに依存。電子メールの利用で、比較的に短い時間での処理が可能であり、事務局の負担も少なかった。

 Proceedingsと同じ内容のCD−R作成は、保管する上でも非常に便利で取り扱いが可能になった。将来的に、より沢山の論文発表があったときには、安価になってきたDVD−Rを利用することで、ある程度、長時間の動画対応も可能になろう。

 登録参加者人数は250名を想定したが、最終的に219名と目標には達しなかったが、第1回としてはまずまずと思われた。残念ながら、開催地の静岡県内からの登録者が少なか ったが、地域でのPRがいささか不十分であったと反省。国からの参加者は、10カ国 50名。地域的なこと、関心の深さからと推定されるが、圧倒的に韓国からの参加者が多かった。

 ロシア共和国、中国、ベトナム、ネパールなどからの参加希望者もあったが、ビザ取得が不可能で参加できなかった。ビザ問題は、当初、まったく念頭になかったこともうかつであった。ビザ問題がなければ、さらに10名程度の海外からの参加者があったと思われる。今回のような会議にはビザ不要な環境になって欲しいものと痛切に感じた。正規のビザ取得が不可能であったために、観光ビザで参加されたロシア共和国からの参加者があった。観光ビザ利用は、日程的な制約などがあるらしいが、ビザの必要な外国からの参加者にとっては、今後の参考になろう。

 日本国内企業所属の外国籍の方も、10人以上の参加があった。所属国籍は、韓国、中国、 台湾などで、日本企業への勤務者が確実に増加していることを示している。

 同時に開催した併催展示会へは10社が出展。第1日目の9日夕方の懇親会への参加者は予定通りの180名で満席。11日の2つの見学会も参加者人数は、バス定員の27名に対してほぼ満席状態。受け入れていただいた静岡理工科大学殿、静岡大学工学部殿、エンシュウM殿、M浅沼技研殿、浜松ホトニクスM殿には、お手数をかけた。

 今後の計画としては、第2回の2006年は韓国、第3回の2008年はアメリカで開催予定。小生は、そのときまで生きているかどうかと自問している。Proceedingsは、残部が少々あり、希望者への実費配布は可能(国内の方には6,000円、海外の方には6,500円。いずれも送料込み)。超精密位置決め専門委員会への新規入会者には、1部を提供する。購入、あるいは入会希望については、事務局(電話:0538−45−0121、E-mail Adress:seimitsu@me.sist.ac.jp)宛に、ご連絡願いたい。