自動化こぼれ話(122)すぐできるインターネット(1)

山梨大学名誉教授 牧野 洋

 Eメールのことは前にも書いたが,周辺の圧力に屈してインターネットとEメールを始めることにし,新しいパソコンを購入した機会にその設定を行った。プロバイダのパンフレットには、
「すぐできるインターネット」
「とっても簡単インターネット」
「あっという間のインターネット」・・・。
というような文字が躍っており、付録に付いているソフトに従って必要なデータを打ち込んでいけば、その日からでも使えるようなことが書いてある。

 いや、ここで警戒をすればよかったのである。
「すぐできる」というのは「すぐできない」というのとほとんど同じ意味であり,「とっても簡単」というのは「面倒くさい」というのとほとんど同義である。そうでなければ、何でわざわざ断る必要があるだろう。
「あっという間」というのは、たとえ1ヶ月かかったとしても、それは考えようによっては「アッという間」なのである。

 実を言うと、約半年前に1回インターネットのインストールを試み、これは見事に失敗したのである。「始めてのインターネット」という類のCDをセットして、その指示に従っていけばよいと書いてあったので,どこかで電話線をかくかくのごとくつなげ、と言ってくるかと思っていたら,そうではなくて、始める前に電話線をつないでいなければならなかったのである。そのためにOSをこわし、やったことのないOSの再インストールをやる破目となり、ゼロからの出発を余儀なくされたのである。

 そこで今度はマニュアルをよく読んでから始めることにしたが,これがまた大変である。「はじめに」これをやれというマニュアルが数種類あり、それぞれの手順が違うのである。こちらはメールアドレスを設定しようとしているのだが、インストールしようとすると、そのメールアドレスを知らせろと言ってくる。そのややこしいことは驚くばかりで、とても1回のこの紙面には書き切れなくなったので,残りは次回に回すことにしよう。