アルテグラ

株式会社シマノ ゴルフ事業部
自動化推進協会理事
山本 誠二

 『Closer to Nature, Closer to People』 もっと自然へ,もっと人へ。この我々の企業メッセージの元,人と自然を結ぶ道具として自転車があり、またさらに釣具があった。『人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し健康と喜びに貢献する』これが我々の使命と考えているわけであるが,何か忘れてはいませんか?そうゴルフもそうと違うんか! ということで今春より我々潟Vマノは、”ドライバー”を引っさげてゴルフ業に進出とあいなった。

 ’90年頃までは当協会で生産技術屋として大活躍(?)してたわけだが,バブル崩壊後の'91年より地方の工場運営に関わり、当協会JAAAとは縁も切れてしまっていた。しかし去年、ひょんなことからふたたび理事をおおせつかったわけだが,その時にはクラブ屋としてドライバーの研究、開発にいそしんでいた。

 昔の機械屋,生産技術屋がクラブ作りに生かせるものは? ゴルフ歴,30年。聞こえは良いがただ単に長いだけ、好きかキライかといえばスキ。スキこそものの・・・、とかいうけれど、果たしてうまくいくかいな?

 まずは勉強と、温故知新。あらゆる書物をひもとき、このみちの大家と呼ばれる人達とディスカッション。プレーヤーの気持ちを理解するためこれまでの3倍以上、いやいや(?)ながらラウンドし、そんな中からひらめいた。

 20年ほど前,位置決めや、ロボットの加減速やで『GD2』を常日頃扱っていたが,どうやらゴルフクラブにも『GD2』が活かせそうだ。『GD2』は慣性モーメント(MI=Moment Of Inertia)という言葉に置き換え、それに重心(CG=Center of Gravity)位置を付け加え、それを中心に研究、開発。古くからゴルフ業界では良くつかわれているキーワードであるが,徹底した応用はされていないようだ。後発であるが故に、また素人であるが故に何にも縛られない自由な発想で開発が進行し、シックス・シグマ手法、DOEを駆使して分析、改善。

 そうして出来上がったのが世界最大級の慣性モーメントをもつドライバー”アルテグラ”。”性能は3つの慣性モーメントで決まる STMI理論” (シマノトータルMI)なんてことをパンフに大きく刷り込み、今年3月に発売開始。昔やっていた大量生産,多種少量生産とは違い受注生産、一個作りのカスタムメード。今までのところ、ほんとに良く飛んで曲がらないドライバーが出来たと自負しているが、生産技術屋が作ったドライバー、はたしてうまくいくか否か?・・・・興味ある方は下記までアクセスしてください。

 CMぽくなった巻頭言ではあるが,今後も違った分野からJAAAに協力を惜しまないつもりですので、よろしくお願い致します。
http//golf.shimano.co.jp